さくら



地球が生まれた日から
積み重なってきた
永い時が
春の陽にめざめ
透明な時代の層になって
浮かび上がっている

興り 亡びて
流れてきた
歴史のふちに
咲きついできた花

さくらの
うすいはなびらが
めざめた時と
触れ合いながら
散っている

弾かれ
吸い込まれ
すべり
ゆすられ
時の階を降りてくる