蛇には蛇の  戻る



川岸の

アカシアの木の下で

死んだ蛇の

乾いていく体から

丸みを作っていた

細い肋骨の連なりが

はじき出されて

くねり

乱れている


蛇には蛇の

悲しみや

いらだちが

消えていく




ときにはこころを満たした

しあわせも

何もなかったときへと

かえっていく


甘く香る花房を揺らし

しきりに騒ぐ風が

咲ききった花を

打ちつけてくる

・・・・・