軌跡 | 戻る | ||||||||
畑も草むらも 暗闇に沈んだ 農道に座って 打ちあげられる 花火を見ていた
絶え間なく 水面に広がる波紋のように 生まれ続ける光の背後に 幾重にも重なる 白い軌跡が照らされる
風にかたちを変えながら かすかに見える稜線の上を 父や祖父母や かかわり合い 去っていった人々の姿になって 連なって流れていく
暗闇の海の底から立ちのぼる コオロギの声に浸かりながら 見上げる空と この場所との 境はもう定かではなくなって なつかしさににじむ 軌跡の空に駆け上る
お互いを呼び合い なにごともなく 昔のように 昔の家で 日常の仕事を始めたりする |
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