アスチルベ
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信号を待ちながら

脇の家の軒下を見ると

道路とのわずかなスペースに

木の台が置かれ

植木鉢や小さなプランターが

並べられている

その中の

浅い鉢に添えられた白い名札に

黒いマジックで書かれた

丸みのある文字を読むと


アスチルベ


ピンクだろうか

白だろうか


芽が出て

伸び始めたばかりの赤みのある葉が

この家の人の期待と共に育っている


やがて暑くなるころには葉が茂り

すっと伸びた花茎に

雪のような小花が咲きふくらみ

道行く人も目を休ませるだろう


アスチルベ


可憐な文字が

歌っている