星空


天の川が頭上にかかり
全天の星が風に揺れている

そのきらめきの中に紛れてしまう
危うい存在感で
夜空にせんたく物を広げていると
しっとりと湿った手のひらに
私のいのちがひしめいてくる

東の空にはのぼり始めた秋の星
アンドロメダの星雲から
私の頬に
うっすらと
届いてくる光

かすかな かすかな
微生物にしかすぎないのに
私の痛みは 苦しさは 欲望は
全宇宙を抱えてしまうほどなのだ                    
戻る  次へ